最新号
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IPジャーナル最新号

第27号

特集
「特許出願非公開制度」

「特許出願非公開制度の概要」
「技術マネジメントの観点から見た「特許出願非公開制度」の影響について」
「特許出願非公開制度の活用と展望に係る一考察」

定価:2,000円(税込)
発行日:2023年12月15日(会員用PDF版は2023年12月1日発行)
目次
巻頭言
・多様性から見た日本のイノベーションの強みと弱み
澤井 智毅世界知的所有権機関(WIPO) 日本事務所長
特集「特許出願非公開制度」
・特許出願非公開制度の概要
廣崎 拓登内閣府 政策統括官(経済安全保障担当)付 参事官補佐
令和4年5月、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律が成立し、特許出願非公開制度が創設されることとなった。本制度により、安全保障上拡散すべきでない発明について特許出願がなされた場合に、出願公開等の特許手続が留保されるとともに、情報流出防止の措置が講じられる。本稿では、本制度の導入の背景と経緯、本制度の概要や、令和6年春頃の制度運用開始に向けた検討状況について解説する。
・技術マネジメントの観点から見た「特許出願非公開制度」の影響について
渡部 俊也東京大学未来ビジョン研究センター
秘匿、公開、特許出願の3つの要素から成る技術の管理の観点から、特許出願非公開制度について、その影響を検討した。外国出願や分割出願、技術公開などそれぞれの項目について、特許出願非公開制度を踏まえた対応の要点を整理した。結果として本制度が促すのは、特殊な特許管理ではなく、技術管理において基本的に求められる基礎的な管理をしっかり精緻に取り組むことに他ならないことを論じた。
・特許出願非公開制度の活用と展望に係る一考察
森 達也三菱重工業株式会社 技術戦略推進室 知的財産部
椎原 菜々三菱重工業株式会社 技術戦略推進室 知的財産部 知財戦略グループ
本制度は、国家の安全保障のため特許出願人に制約が生じる側面があるが、防衛製品事業を有する企業にとっては、諸外国とイコールフッティングな土台ができ、機微技術であっても先願の地位・実施を確保できるという観点から、活用を見いだせる部分がある。さらなる発展型として、国際協力の環境を整えるための非公開の特許出願を相互に受け入れ合う諸外国との協定や、本制度の対象となる発明の公開・利用をもって産業の発達に寄与するための、保全指定された発明を共有可能とするコミュニティの可能性についても検討した。
寄稿
・知財とデザイン組織の協業による企業価値向上への貢献 NECのデザインの取り組み
稲舩 仁哉NEC 経営企画部門 コーポレートデザイン部 シニアプロフェッショナル
知財法論壇
(第20回)ボストン滞在記~生活編~
新井 泰弘高知大学人文社会科学部 准教授
フリーコンテンツ時代の情報リテラシー
(Vol.34)学校で教えたい「著作権のキホン」
宮武 久佳東京理科大学嘱託教授
Column 知財の国際舞台から
夏目 健一郎WIPO 事務局長補
知財世界の醍醐味
(Vol.30)造粒乾燥装置事件
半蔵門伝次郎水産会社勤務、一級知財技能士(特許専門業務)・弁理士
地殻変動に揺れるエンタメ業界
(第6回)日本の映像業界における最新動向と重要トピック
―地殻変動のその後を追いかける①―
弁護士 中山 茂 × 弁護士 國松 崇 ×  TBS 矢内 一正
エンタメ業界(映画・演劇・テレビ・アニメ・音楽・出版・ゲーム等)の法律実務に関する仕組みは、もともと複雑であり、業界特有の要素が強いものであったが、コンテンツ自体が変貌し、ビジネスモデルが時代とともに急速に変化していく状況下で、ますます混迷を極めた状態に陥っている。
本連載では、第1回から第5回までを通して、様々な視点から日本の映像業界が変容しつつある状況を明らかにしてきた。しかし、その間にも「地殻変動」が猛スピードで進行していることは、既に報道等でご承知のとおりである。
そこで、本連載第6回と第7回では、その後の映像業界の最新動向や、特に重要なトピックを駆け足で点検したいと思う。以下では、①官民で進む契約書作成支援、②フリーランス新法の施行、③映適の設立、そして④全米ストライキという4つの事柄を鼎談形式で取り上げた。なお、この鼎談は2023年10月3日に行われたものである。
グローバル知財情報
・5大戦略から見る韓国の知財2023
大塚 裕一日本貿易振興機構(ジェトロ)ソウル事務所 副所長
アフターコロナの時代となり、日韓両国間の関係も好転し、まさに変化の時を迎えている。韓国においては日本と類似の知財法制度を有しつつ、堅調な特許出願、日本より出願件数の多い意匠・商標出願など、興味深い状況が続いている。どのような要素がこの状況を実現しているのか、韓国政府が策定している「5大戦略」から解説を行う。
米国最高裁判例評釈
・アンディ・ウォーホルが他人の撮影したプリンスの写真を基に制作した作品についてフェア・ユースの抗弁が問題となった事例
合衆国最高裁2023年5月18日判決(Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. v. Goldsmith et al.,598 U.S 508,143 S.Ct 1258(2023))の解説
大寄 麻代東京地方裁判所判事
大澤 多香子東京地方裁判所判事
ワシントン便り
蛭田 敦(一財)知的財産研究教育財団知的財産研究所ワシントン事務所所長
知財関連省庁からのお知らせ
・第9回意匠五庁(ID5)会合が開催されました
~メタバースにおけるデザイン保護を議論しました~
特許庁 総務部 国際政策課 審査第一部 意匠課
・商標法令和5年改正(他人の氏名を含む商標の登録拒絶要件の緩和及びコンセント制度の導入)について
特許庁 審査業務部 商標課 商標制度企画室
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